「採用のためにTikTokやInstagramを始めたいが、月に何本投稿すればいいのか分からない」という相談は少なくありません。運用代行会社から月4本、10本、20本といった複数のプランを提示されても、何を基準に選べばいいのか迷う採用担当者の方も多いと思います。内製で運用する場合も、毎日投稿すべきなのか、週1本で足りるのかという同じ疑問にぶつかります。
実は投稿本数に絶対的な正解はなく、採用SNSを何のために使うのかによって適切な本数は変わります。本記事では、採用SNSの投稿頻度を決める前に整理しておきたい視点を解説します。
投稿本数は「発見型」か「確認型」かで決まる
採用SNSの使い方は、大きく2つに分けられます。
- 発見型:SNSの投稿をきっかけに、求職者が初めて会社を知る使い方です
- 確認型:求人媒体などで会社を知った求職者が、応募前に社風や仕事内容を確認するために見る使い方です
発見型と確認型の違い
発見型は、TikTokやInstagramがそのまま求職者との最初の接点になる運用です。この場合、一定の品質を保てる前提であれば、投稿本数が多いほど会社を見つけてもらえる機会が増えます。
一方の確認型は、求人票を見てある程度興味を持った求職者が、応募前に社風や働く人の雰囲気を確かめるためにアカウントを訪れる使い方です。すでに興味を持った状態で来ているため、知りたい情報が一通り揃っていれば、本数が少なくても役割を果たします。
必要な投稿本数は、SNSを「新しく会社を知ってもらう入口」にするか「応募前の確認材料」にするかで変わります。
発見型なら投稿本数が応募への動きを左右する
発見型の運用で投稿本数が重要になるのは、会社を全く知らない人に興味を持ってもらうには、接触回数と情報量の両方が必要になるからです。
知らない会社の社員から突然「転職しませんか」と声をかけられても、すぐには興味を持ちにくいものです。何度か情報に触れるうちに、少しずつ会社への理解と興味が深まっていきます。採用SNSも同様で、求職者は1本の動画だけで応募を決めるわけではなく、複数の投稿に触れることで興味を深めていきます。
ある採用SNS支援の現場では、月8本投稿していたアカウントの本数を月4本に減らしたところ、動画の閲覧数が減っただけでなく、動画を見て興味を持ちプロフィールまで移動する割合自体も下がり、応募につながる手前の動きが本数を減らした以上に落ち込んだ、という傾向が見られています。一方で、興味を持ってもらった後の友達追加や応募の割合には大きな変化が見られなかったといいます。投稿の企画や時期の影響もあるため、本数だけが原因だとは言い切れませんが、接触回数が減ると興味を持ってもらう段階そのものが弱くなる点は押さえておきたいところです。
発見型の運用で応募や採用を増やしたいのであれば、投稿本数を減らしすぎると想定以上に成果が落ちる可能性がある点に注意が必要です。
確認型なら本数より情報の網羅性が重要
求人媒体をきっかけに会社を知った求職者がInstagramなどで社名を検索する使い方では、求職者はすでに会社にある程度興味を持った状態でアカウントを訪れています。
求職者は求人票を見て「気になる」「職場の雰囲気を知りたい」と感じたうえでアカウントを見に来ます。つまりSNSは会社を知る最初のきっかけではなく、応募に進むかどうかを判断するための確認材料として使われているのです。
この使い方で求職者が確認したい情報は、主に次のようなものです。
- どんな仕事をするのか
- どんな雰囲気の職場なのか
- どんな社員が働いているのか
- 入社後の働き方はどうなるのか
情報が揃っていれば本数は少なくてよい
こうした情報が一通り投稿されていれば、採用ホームページに近い使い方として機能し、新しく大量に投稿を続けなくても応募前の確認アカウントとしての役割を果たします。
ただし注意したいのは、この使い方は新しい応募者を増やすための運用ではないという点です。あくまで求人媒体で会社を知った人の理解を深め、応募後の歩留まりや入社後のミスマッチを減らすための使い方にとどまります。
求人媒体の補助として使うのであれば、投稿本数の多さよりも、求職者が知りたい情報が網羅されているかどうかのほうが重要です。
投稿本数を決める前に整理したい3つの視点
本数を選ぶ際は、次の3点を整理してから決めることをおすすめします。
- SNSの役割:発見型として使うのか、確認型として使うのかを決めます
- 企業側の撮影負担:どれくらいの時間を撮影に割けるのかを見積もります
- 企画の質:本数を増やしても内容の質を保てるかを確かめます
撮影負担は現実的な範囲で考える
採用SNSでは実際に働く社員に出演してもらうことが多く、通常業務のなかで撮影時間を確保する必要があります。多くの企業では、まとめて確保できる撮影時間は月に一度、半日程度にとどまるケースが少なくありません。本数を増やすほど接触回数や企画の検証機会は増えますが、撮影時間が限られるなかで本数だけを追うと、一本あたりの企画が薄くなりやすい点には注意が必要です。
企画の質を保てる本数で検証する
ある採用SNS支援会社では、月4本・8本・10本・12本など複数の本数で運用を試し、企業の撮影負担と企画の質のバランスを検証してきた例があります。そこでは、本数を増やすこと自体を目的にするのではなく、同じ撮影負担の範囲で企画の質を落とさずにどこまで本数を確保できるかを検証する、という考え方が取られていました。
この会社の例では、月1回・半日程度の撮影という同じ負担のなかで、月8本でも発見型として運用でき、月10本までは企画の質を保てたといいます。一方で月12本まで増やすと、短時間で撮れる簡易な企画が増え、1本あたりの内容が薄くなりやすかったそうです。確認型については、求職者が知りたい情報が揃ったあとは月4本程度の更新でも役割を果たしています。
これは一社の運用例であり、すべての会社に当てはまる本数ではありません。自社で確保できる撮影時間を出発点にして、質を落とさずに作れる上限を探るという順番が参考になります。
投稿本数は「多ければ多いほど良い」と単純に決めるのではなく、撮影の負担と企画の質を保てる範囲で、目的に合わせて検証しながら決めることが大切です。
まとめ
- 採用SNSの投稿本数は、発見型(新しく会社を知ってもらう)か確認型(応募前の確認)かで最適な本数が変わります
- 発見型は接触回数と情報量が必要なため、品質を保てる範囲で本数が多いほど有利になります
- 確認型は本数の多さより、求職者が知りたい情報が網羅されているかのほうが重要です
自社の採用SNSが発見型と確認型のどちらに近いか、また今の投稿本数が目的に合っているかを整理したい場合は、第三者の視点を入れてみるのも一つの方法です。まずはお気軽に無料相談からご相談ください。
